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最終更新日 2021/7/22
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◎ 令和元年度試験(第14回)過去問


 問題33


弁済に関する次の①〜④の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債権者及び債務者が等しい割合で負担する。

② 債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合において、弁済として提供した給付がすべての債務を消滅させるのに足りないときは、弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。ただし、弁済を受領する者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。

③ 弁済の提供は、債権者があらかじめその受領を拒んでいるときであっても、債務の本旨に従って現実にしなければならない。

④ 弁済により債権者に代位した者は、自己の権利に基づいて求償をすることができる範囲内において、債権の効力及び担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができる。





 問題33 解答・解説

「弁済(民法)」に関する問題です。
(改訂第9版合格教本のP212~214参照)

(第8版の合格教本をお持ちの方は、P210~212参照)


①:×(適切でない)
 弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、
債務者の負担となります。
 本肢は、「債権者及び債務者が等しい割合で負担する」となっている部分が誤りです。

※ 改訂第9版合格教本P212「(1)弁済の費用」参照。

②:×(適切でない)
 債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合において、弁済として提供した給付が全ての債務を消滅させるのに足りないときは、弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができます。このことは、弁済を受領する者が異議を述べた場合であっても同じです。
 本肢は、「ただし、弁済を受領する者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。」となっている部分が誤りです。


※ 改訂第9版合格教本P214「(8)弁済の充当の指定」参照。

③:×(適切でない)
 弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければなりません。ただし、債権者があらかじめその受領を拒み、または債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足ります
 本肢は、債権者が受領を拒んでいるときでも現実にしなければならないとしている点が、誤りです。


※ 改訂第9版合格教本P214「(11)弁済の提供の方法」参照。

④:○(適切である)
 弁済により債権者に代位した者は、
債権の効力および担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができます。この権利の行使は、債権者に代位した者が自己の権利に基づいて債務者に対して求償をすることができる範囲内に限り、することができます。


※ 改訂第9版合格教本P213「(4)弁済による代位」参照。


正解:④



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