貸金業務取扱主任者資格試験の攻略サイト
最終更新日 2021/7/27
貸金業務取扱主任者.com
Top page
Contents menu
貸金業務取扱主任者資格試験の攻略サイトのご利用案内
貸金業務取扱主任者資格試験の概要
貸金業法・出資法・利息制限法等
取引に関する法令・実務(民法・民事訴訟法・倒産法等)
資金需要者等の保護(個人情報保護法・消費者契約法等)
貸金業務に関する財務・会計
過去問題集
貸金業務取扱主任者資格試験のリンク集
貸金業務取扱主任者資格試験の攻略サイトの更新情報
管理者紹介
法律系資格総合サイト

テキスト
「合格教本」


Amazon:合格教本


過去問題集

Amazon:過去問題集


予想問題

第1回~第5回

Contact us

貸金業務取扱主任者資格試験攻略に関するお問い合わせ



◎ 令和2年度試験(第15回)過去問


 問題42


次の①〜④の記述のうち、民法上、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。なお、本問において、「改正前民法」とは平成29年法律第44号により改正される前の民法をいい、「改正民法」とは同法により改正された後の民法をいうものとする。

① Aは、2020年3月1日に、Bとの間で、金銭消費貸借契約を締結しBに10万円を貸し付けた。この場合、AのBに対する貸付金債権の消滅時効の期間については、改正前民法が適用され、当該債権は、10年間行使しないときは、時効によって消滅する。

② Aは、2020年3月1日に、Bとの間で、債権の譲渡を禁止する旨の特約を付した金銭消費貸借契約を締結しBに10万円を貸し付けた。その後、Aは、2020年5月1日に、Cとの間で、AのBに対する貸付金債権を譲渡した。この場合、AのCに対する債権の譲渡については、改正前民法が適用され、AとCとの間の債権譲渡契約は無効となる。

③ Aは、2020年3月1日に、Bとの間で、定型取引(注)に係る契約を締結した。この場合において、2020年3月31日以前に、A又はBが書面又は電磁的記録により反対の意思を表示していないときは、当該契約については、改正民法が適用される。

④ Aは、2010年5月1日に、Bとの間で、金銭消費貸借契約を締結しBに10万円を貸し付けた。BがAに借入金を返済していない場合において、2020年4月15日に天災その他避けることのできない事変が生じた。この場合、天災等による時効の完成猶予については、改正民法が適用され、その障害が消滅した時から3か月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

(注) 定型取引とは、改正民法第548条の2(定型約款の合意)第1項に規定する定型取引(ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なもの)をいう。





 問題42 解答・解説

「改正民法の経過措置等」に関する問題です。

※ 改正民法の施行日は、2020年4月1日です。
 以下、本問解説においては、単に「施行日」といいます。



①:○(適切である)
 
「施行日前に債権が生じた場合」又は「施行日前に債権発生の原因である法律行為がされた場合」には、その債権の消滅時効期間については、原則として、改正前民法が適用されます。
 本肢では、施行前に締結された契約に基づく債権であるため、「改正前民法」が適用されます。
 なお、改正前民法では、「債権は、10年間行使しないときは、消滅する」とされていました(改正前民法167条1項)。


※ 「法律行為」とは、法律効果の発生を目的としてなされる行為であり、その代表例は契約です。そのため、法律行為という言葉がでてきたときには、契約を思い浮かべると、理解がしやすいです。

②:×(適切でない)
 施行日前に「債権の譲渡の原因である法律行為」がされた場合におけるその債権の譲渡については、
改正前民法が適用されます。そして、「債権の譲渡の原因である法律行為」とは、債権譲渡契約などをいいます。
 一方、
債権譲渡(の契約)が施行以降に行われた場合には、改正民法が適用されます。
 本肢では、債権譲渡が施行日以降に行われているため、「改正民法」が適用されます。
 そして、改正民法では、「当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない」としており、
譲渡禁止の特約があっても債権譲渡は「有効」です。

③:○(適切である)
 定型約款については,施行日より前に契約が締結された場合であっても、
書面又は電磁的記録によって反対の意思表示をしなければ施行日後は「改正民法」が適用されます。


④:○(適切である)
 改正民法では、「時効の期間の満了の時に当たり、
天災その他避けることのできない事変のため第147条第1項各号(裁判上の請求等)又は第148条第1項各号(強制執行等)に掲げる事由に係る手続を行うことができないときは、その障害が消滅した時から3か月を経過するまでの間は、時効は、完成しない」としています。
 本肢では、改正民法の施行日以降に、天災その他避けることのできない事変が生じたというのであるから、「改正民法」が適用されます。



正解:②




Copyright(C) Makoto Tamura All Rights Reserved