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最終更新日 2020/2/21
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平成21年度第1回試験 過去問


 問題32


債務不履行に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 当事者が契約において、債務の履行について不確定期限を定めた場合、民法上、債務者は、その期限が到来した時から遅滞の責任を負う。

② 債務者が契約に基づいて負っている債務が履行不能となった場合、民法上、債権者は、債務者に対し債務の履行を催告した後に限り、契約を解除することができる。

③ 債権者が債務者の債務不履行によって損害を被った場合、民法上、債権者には、債務不履行がなければ損害が発生しなかったという関係(条件関係)にある全損害について、債務者に対する損害賠償請求が認められる。

④ 金銭の給付を目的とする債務の不履行については、民法上、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。





 問題32 解答・解説

「債務不履行(民法)」に関する問題です。
(改訂第9版合格教本のP206~208、P210参照)
(第8版の合格教本をお持ちの方は、P204~206、P208参照)

※ 法改正により解説を変更しました。


①:×(適切でない)
 不確定期限を定めた場合、債務者はその期限の到来した後に履行の請求を受けた時またはその期限の到来したことを知った時のいずれか早い時から遅滞の責任を負います。
 「その期限が到来した時」から遅滞の責任を負うわけではないので、①は誤りです。

改訂第9版合格教本P206「▼履行遅滞となる時期」参照。

②:×(適切でない)
 履行不能の場合は、履行遅滞とは異なり、催告をしなくても契約を解除することができるので、②は誤りです。

改訂第9版合格教本P210枠内「●催告によらない解除ができる場合(一部)」の①参照。

③:×(適切でない)
 損害賠償請求ができる範囲は、
相当因果関係にある損害に限られます
 よって、③は、条件関係にある「全損害」について損害賠償請求が認められるとしている点が、誤りです。

改訂第9版合格教本P207「(2)損害賠償請求の範囲」参照。

④:○(適切である)
 金銭債務の不履行については、債務者は
不可抗力を抗弁とすることができないので、④は正しいです。

改訂第9版合格教本P208「(4)金銭債務の特則」参照。



正解:④



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