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最終更新日 2010/1/2
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 問題36


A社は、Bに金銭を貸し付けたが、Bが約定の期日に貸付金を返済しないため、法的措置により強制的に貸付金を回収することを検討している。この場合に関する次の①~④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① A社がBの財産について強制執行を申し立てるためには、必ず確定判決を得なければならない。

② Bが会社員として給与(毎月20日払、月額33万円)を受領している場合、A社は、Bの給与債権については、その4分の3に相当する部分を差し押さえることができる。

③ A社がBのCに対して有する売掛金債権を差し押さえ、当該売掛金債権について転付命令が確定した場合、A社のBに対する貸付金債権及び執行費用は、BのCに対する売掛金債権が存する限り、その券面額で、転付命令がCに送達された時に弁済されたものとみなされる。

④ Bが破産手続開始決定を受けた場合において、当該破産手続開始決定前に、A社がBの財産について強制執行を申し立てていたときは、当該強制執行の手続は失効せず、進行する。






 問題36 解答・解説
「強制執行(民事執行法)、破産法」に関する問題です。
(改訂第9版合格教本のP260、P263・264、P269参照)
(第8版の合格教本をお持ちの方は、P258、P261・262、P267参照)


①:×(適切でない)
 
強制執行は債務名義に基づいて行いますが、確定判決以外の債務名義もあるため、必ずしも確定判決を得る必要はありません。
 例えば、(執行文の付与された)執行証書があれば、その執行証書に基づいて直ちに強制執行を行うことができます。


※ 改訂第9版合格教本P260「(1)債務名義」参照。

②:×(適切でない)
 給料等の債権は、給付の4分の3に相当する部分または月額33万円のいずれか低い方の額について差押えが禁止されています。
 本肢では、実際の給与月額は33万円であり、その4分の3(24万7,500円)は33万円より低いため、その4分の3に相当する部分について差押えが禁止されます。裏を返せば、
4分の1に相当する部分を差し押さえることができます


※ ちなみに給与の給付額が44万円の場合、その4分の3は33万円です。
   44万円を超える場合には一律33万円が差押えの禁止額になります。

   つまり、給付額が44万円以内の場合  → その4分の3が差押え禁止
        給付額が44万円を超える場合 → 33万円が差押え禁止

※ 改訂第9版合格教本P263・264枠内「●差押禁止債権」参照。

③:○(適切である)
 差押命令及び転付命令が確定した場合、差押債権者の債権及び執行費用は、転付命令に係る金銭債権が存する限り、その券面額で、
転付命令が第三債務者に送達された時に弁済されたものとみなされます。


※ 改訂第9版合格教本P264「(7)転付命令」参照。

④:×(適切でない)
 破産手続開始の決定があった場合、破産財団に属する財産に対してすでにされている
強制執行等の手続はその効力を失います

※ 改訂第9版合格教本P269「(3)破産手続開始の決定とその効果」参照。


正解:③



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