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最終更新日 2014/10/16
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平成23年度試験(第6回)過去問


 問題42


民事執行法に規定する金銭の支払いを目的とする債権についての強制執行に関する次の①~④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① 金銭の支払いを目的とする債権(動産執行の目的となる有価証券が発行されている債権を除く。)に対する強制執行(少額訴訟債権執行を除く。以下、本問において「金銭債権に対する強制執行」という。)において、執行裁判所は、申立てにより、債務者及び債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、差押命令の全部もしくは一部を取り消し、又は民事執行法第152条(差押禁止債権)の規定により差し押さえてはならない債権の部分について差押命令を発することができる。

② 動産に対する強制執行は、執行官の目的物に対する差押えにより開始するが、動産に対する強制執行においては、執行官は、差押債権者のためにその債権及び執行費用の弁済を受領することができない。

③ 不動産に対する強制執行において、配当要求の終期までに強制競売又は一般の先取特権の実行としての競売の申立てをした差押債権者は、当該不動産に係る売却代金の配当等を受けるべき債権者となる。

④ 金銭債権に対する強制執行において、債権の一部が差し押さえられ、又は仮差押えの執行を受けた場合において、その残余の部分を超えて差押命令が発せられたときは、各差押え又は仮差押えの執行の効力は、その債権の全部に及ぶ。





 問題42 解答・解説

「強制執行(民事執行法)」に関する問題です。
(改訂第9版合格教本のP260~関連)
(第8版の合格教本をお持ちの方は、P258~関連)


①:○(適切である)
 
金銭債権に対する強制執行において、執行裁判所は、申立てにより、債務者および債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、差押命令の全部もしくは一部を取り消し、または民事執行法第152条(差押禁止債権)の規定により差し押さえてはならない債権の部分について差押命令を発することができます。


②:×(適切でない)
 動産執行においては、執行官は、差押債権者のためにその債権および執行費用の弁済を受領することができます。

③:〇(適切である)
 本肢の通りです。
下記「配当等を受けるべき債権者の範囲」の①に該当します。


<配当等を受けるべき債権者の範囲>
 次の者は、売却代金の配当等を受けるべき債権者となります。
 ①差押債権者(配当要求の終期までに強制競売又は一般の先取特権の実行としての競売の申立てをした差押債権者に限る。)
 ②配当要求の終期までに配当要求をした債権者
 ③差押え(最初の強制競売の開始決定に係る差押えをいう。④において同じ。)の登記前に登記された仮差押えの債権者
 ④差押えの登記前に登記(民事保全法53条第2項に規定する仮処分による仮登記を含む。)がされた先取特権(第1号又は第2号に掲げる債権者が有する一般の先取特権を除く。)、質権又は抵当権で売却により消滅するものを有する債権者(その抵当権に係る抵当証券の所持人を含む。)

④:〇(適切である)
 債権の一部が差し押さえられ、または仮差押えの執行を受けた場合において、
その残余の部分を超えて差押命令が発せられたときは、各差押えまたは仮差押えの執行の効力は、その債権の全部に及びます
 なお、債権の全部が差し押さえられ、または仮差押えの執行を受けた場合において、その債権の一部について差押命令が発せられたときのその差押えの効力も、その債権の全部に及ぶとされています。



正解:②



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