①:○(適切である)
実際には売るつもりはないのに買主と通謀して売買契約をしたかのように装った場合(通謀虚偽表示の場合)、その契約は無効となります。ただし、この無効は善意の第三者に対抗することはできないとされています。
第三者Zは通謀虚偽表示による契約であることを知っていたのであるから、善意の第三者とはいえず、通謀虚偽表示をしたXはその契約の無効をZに主張することができます。
※ 改訂第9版合格教本P164「(2)通謀虚偽表示」参照。
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②:○(適切である)
意思表示は、意思表示に対応する意思を欠く錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができます。ただし、錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、原則として、錯誤による意思表示の取消しをすることができません。
Xの申込みの意思表示に錯誤がある場合であっても、Xに重大な過失があったときは、Xは、その売買を取り消すことができません。
なお、錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合でも、次のときは、錯誤による意思表示の取消しをすることができます。
・相手方が表意者に錯誤があることを知り、または重大な過失によって知らなかったとき。
・相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
※ 改訂第9版合格教本P165「(1)錯誤」参照。
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③:×(適切でない)
詐欺を受けたことによってなした意思表示は、取り消すことができます。ただし、善意で過失がない第三者に対しては、詐欺による取消しを対抗することはできないとされています。
第三者Zは詐欺による契約であることを知っていたのであるから、善意で過失がない第三者とはいえず、詐欺による意思表示をしたXは、その契約の取消しをZに主張することができます。
※ 改訂第9版合格教本P166「(2)詐欺」参照。
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④:○(適切である)
消費者が行う電子消費者契約の申込みまたはその承諾の意思表示が、意思表示に対応する意思を欠く錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものである場合は、原則として、消費者に重大な過失があるときであっても契約を取り消すことができます。ただし、事業者側が申込み内容の確認画面を設けるなどの措置を講じているときは、消費者に重大な過失があれば、その消費者はその契約を取り消すことはできません。
事業者Xが申込み内容の確認画面を設けて申込みの意思表示の確認を求める措置を講じていた場合、消費者Yはその契約取り消すことができません。逆にいえば、事業者Xは消費者Yに対して取り消すことはできない旨を主張できます。
※ 改訂第9版合格教本P240「(2)電子契約法では」参照。
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