①:×(適切でない)
次の場合に期限の利益を喪失することがあり、期限の利益を喪失した場合には、期限が到来する前であっても債務者は返済をしなければなりません。
・債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。
・債務者が担保を滅失させ、損傷させ、または減少させたとき。
・債務者が担保を供する義務を負う場合にこれをしないとき。
よって、債務者Bが担保である建物を滅失させた場合、期限の利益を喪失するため、返済期限前であっても、債権者AはBに対し弁済を請求することができます。
※ 改訂第9版合格教本P175「(4)期限の利益の喪失」参照。
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②:×(適切でない)
履行遅滞となった場合(返済期限を経過しても弁済しない場合)、債権者は相当の期間を定めて履行の催告し、その期間内に債務者が履行しないときにはじめて、契約を解除することができます。
本肢は、「催告をすることなく直ちに」となっている部分が誤りです。
※ 改訂第9版合格教本P210「(2)催告による解除」参照。
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③:〇(適切である)
自働債権(相殺する当事者側の債権)の弁済期が到来していれば、自己の債務について期限の利益を放棄して、相殺することができます。
本問では、10月15日にAの債権の弁済期が到来するため、その時点で、Aは、自己の債務について期限の利益を放棄して、相殺することができます。
※ 改訂第9版合格教本P215「③相殺」参照。
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④:×(適切でない)
金銭債務(金銭の給付を目的とする債務)の不履行の損害賠償の額は、約定利率(契約によって定められた利率)がなければ、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率(年3%)によります。
本肢は、「貸付けに係る利率及び遅延損害金の額を定めているか否かを問わず」「年14.6%」となっている部分が誤りです。
※ 改訂第9版合格教本P208「(4)金銭債務の特則」参照。
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