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最終更新日 2020/2/11
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 問題34


AはX県に住居を有する個人であり、BはX県の遠隔地にあるY県に住居を有する個人である。Aは、Bがその所有する絵画(以下、本問において「絵画」という。)の売却を希望していることを雑誌で知り、絵画を購入しようとしている。この場合に関する次の①~④の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① Aは、承諾の通知を必要としない旨を表示して絵画を購入する旨の申込みの通知をBに発送し、当該通知はBに到達した。この場合、AとBとの間の契約は、Bによる承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に成立する。

② Aは、絵画を購入する旨の申込みの通知をBに発送し、当該通知はBに到達したが、Aは、当該通知がBに到達する前に死亡していた。この場合、BがAの死亡の事実を知っていたか否かにかかわらず、Aによる絵画を購入する旨の申込みは、その効力を失う。

③ Aは、絵画をAの自宅に配達してもらう条件で絵画を購入する旨の申込みの通知をBに発送し、当該通知はBに到達した。これに対し、Bは、Aが絵画を受け取りに来るという条件であればAに絵画を売却する旨の通知をAに発送し、当該通知はAに到達した。この場合、Bの通知がAに到達した時点で、Bが付した条件による売買契約が成立する。

④ Aは、承諾の期間を定めて絵画を購入する旨の申込みの通知をBに発送し、当該通知はBに到達したが、Bは、当該承諾の期間を過ぎても承諾の通知をAに発送しなかった。この場合、Aによる絵画を購入する旨の申込みは、その効力を失わない。





 問題34 解答・解説
「契約の成立」に関する問題です。
(改訂第9版合格教本のP156・157参照)
(第8版の合格教本をお持ちの方は、P154・155参照)

※ 法改正により解説を変更しました。


①:〇(適切である)
 
申込者の意思表示または取引上の慣習により承諾の通知を必要としない場合には、契約は、承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に成立します。


※ 改訂第9版合格教本P157「(5)承諾の通知を必要としない場合における契約の成立時期」参照。

②:×(適切でない)
 申込者が申込みの通知を発した後に死亡し、意思能力を有しない常況にある者となり、または行為能力の制限を受けた場合において、申込者がその事実が生じたとすればその申込みは効力を有しない旨の意思を表示していたとき、またはその相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったときは、その申込みは、その効力を有しないとされています。。
 本肢は、「死亡の事実を知っていたか否かにかかわらず」となっている部分が誤りです。


※ 改訂第9版合格教本P157「(4)申込者の死亡等」参照。

③:×(適切でない)
 契約は意思表示の合致によって契約が成立します。
「絵画をAの自宅に配達してもらう条件で絵画を購入する」旨のAによる申込みと、「Aが絵画を受け取りに来るという条件であればAに絵画を売却する」旨のBによる承諾は、意思表示が合致しているとはいえないため、契約は成立しません。
 なお、承諾者が、申込みに条件を付し、その他変更を加えてこれを承諾したときは、その申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなされます。

※ 改訂第9版合格教本P157「(6)申込みに変更を加えた承諾」参照。

④:×(適切でない)
 承諾の期間を定めて契約の申込みをした場合において、期間内に承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失います。


※ 改訂第9版合格教本P156「(2)承諾の期間の定めのある申込み」参照。


正解:①



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