①:○(適切である)
代理人が本人の代理人であることを相手方に示さなかった場合、原則として、自己(代理人)のためにしたものとみなされます。ただし、このような場合であっても、相手方が、本人のためにすることを知り、または知ることができたときは、本人のためにしたものとみなされます。
そのため、代理人Aが、本人Bのためにすることを示さずに契約を締結し、相手方Cが、本人Bのためにすることを知らず、かつ知ることができなかったときは、代理人Aは、自己のためにしたものとみなされます。
※ 改訂第9版合格教本P169「(3)顕名がない場合」参照。
|
②:○(適切である)
代理人に代理権を与えていないにもかかわらず、本人が相手方に対して「代理人に代理権を与えた」と示していた場合、善意かつ無過失の相手方に対抗することはできないとされています。
相手方CはAに代理権が与えられていないことを過失によって知らなかったのであるから、Bは、Cに対抗することができ、責任を負いません。
※ 改訂第9版合格教本P169「(1)表見代理」及びP170「(2)表見代理の種類」の①参照。
|
③:×(適切でない)
無権代理人(代理権のない者)がした行為は、無権代理行為であり、無効です。無権代理の場合において、本人の追認を得ることができなかったときは、無権代理人は、相手方の選択に従い、相手方に対して履行または損害賠償の責任を負います。
よって、無権代理人Aは、相手方Cの選択に従って履行または損害賠償の責任を負うのであって、A自身が選択できるわけではありません。
※ 改訂第9版合格教本P170「(3)無権代理人の責任」参照。
|
④:○(適切である)
代理権の消滅は、善意かつ無過失の第三者に対抗することができません(表見代理)。
よって、本肢のように相手方Cが、代理権が消滅したことを過失なく知らなかった場合には、Bは、Cに対して代理権が消滅したことを対抗することができます。
※ 改訂第9版合格教本P169「(1)表見代理」及びP170「(2)表見代理の種類」の③参照。
|