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最終更新日 2018/8/15
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 問題27


AとBとの間の複数の営業的金銭消費貸借契約(以下、本問において、「第一契約」、「第二契約」又は「第三契約」という。)に関する次の①~④の記述のうち、利息制限法上、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① Aは、元本を9万円及び利息を利率年2割(20%)とする第一契約を締結し9万円をBに貸し付けた。Aは、その1か月後に、第一契約に基づく債務の元本残高が5万円の時点において、元本を5万円及び利息を利率年2割(20%)とする第二契約を締結し5万円をBに貸し付けた。この場合、第二契約における利息の約定は、年1割8分(18%)を超過する部分に限り無効となる。

② Aは、元本を50万円及び利息を利率年1割(10%)とする第一契約を締結し50万円をBに貸し付けると同時に、元本を50万円及び利息を利率年1割8分(18%)とする第二契約を締結し50万円をBに貸し付けた。この場合、第二契約における利息の約定は、年1割5分(15%)を超過する部分に限り無効となる。

③ Aは、元本を10万円及び利息を利率年1割8分(18%)とする第一契約を締結し10万円をBに貸し付けると同時に、元本を10万円及び利息を利率年1割8分(18%)とする第二契約を締結し10万円をBに貸し付けた。Aは、その1か月後に、第一契約及び第二契約に基づく債務の元本残高の合計が15万円の時点において、元本を85万円及び利息を利率年1割8分(18%)とする第三契約を締結し85万円をBに貸し付けた。この場合、第一契約、第二契約及び第三契約のいずれの利息の約定も、年1割5分(15%)を超過する部分に限り無効となる。

④ Aは、元本を50万円及び利息を利率年1割6分(16%)とする第一契約を締結し50万円をBに貸し付けた。Aは、その1か月後に、第一契約に基づく債務の元本残高が45万円である時点において、元本を5万円及び利息を利率年1割8分(18%)とする第二契約を締結し5万円をBに貸し付けると同時に、元本を50万円及び利息を利率年1割6分(16%)とする第三契約を締結し50万円をBに貸し付けた。この場合、第二契約及び第三契約のいずれの利息の約定も、年1割5分(15%)を超過する部分に限り無効となる。





 問題27 解答・解説

 「利息の制限(利息制限法)」に関する問題です。
(改訂第9版合格教本のP130~132参照)
(第8版の合格教本をお持ちの方は、P130~132参照)

<ポイント>
 
利息制限を計算する場合の元本額について
 
 ①同一の貸金業者から重ねて貸付けを受けたとき
 →「既に貸付けを受けた残元本の額とその貸付けを受けた元本額との合計額」を元本の額とみなす。
 
 ②同一の貸金業者から同時に複数の貸付けを受けたとき
 →「複数の貸付けを受けた元本の額の合計額」を元本の額とみなす。

※ 具体例は、合格教本で説明しています。

 <利息制限法の制限利率>
 元本の額が10万円未満の場合・・・・・・・・・・・・・・・・ 年20%
 元本の額が10万円以上100万円未満の場合・・・・・ 年18%
 元本の額が100万円以上の場合・・・・・・・・・・・・・・・ 年15%



①:○(適切である)
 同一の貸金業者から重ねて貸付けを受けた場合、「
既に貸付けを受けた残元本の額とその貸付けを受けた元本額との合計額」を元本の額とみなして、その利息の上限を計算します。
 本肢において、第一契約の残存元本額は5万円であり、第二契約の元本は5万円であり、その合計額は10万円です。
 この額は10万円以上100万円未満であるので、第二契約の上限利息は年18%となり、これを超える部分は無効となります。


※ 改訂第9版合格教本P131「(1)同一の貸金業者から重ねて貸付けを受けた場合」参照。

②:○(適切である)
 同一の貸金業者から同時に複数の貸付けを受けた場合、「複数の貸付けを受けた元本の額の合計額」を元本の額とみなして、その利息の上限を計算します。
 本肢において、第一契約の元本額は50万円であり、第二契約の元本は50万円であり、その合計額は100万円です。
 この額は100万円以上であるので、第二契約の上限利息は年15%となり、これを超える部分は無効となります。


※ 改訂第9版合格教本P132「(2)同一の貸金業者から同時に複数の貸付けを受けた場合」参照。

③:×(適切でない)
 本肢において、同一の貸金業者から同時に第一契約10万円および第二契約10万円の貸付けがなされているため、それらの貸付け元本の合計額は20万円です。この額は10万円以上100万円未満であるから、
第一契約および第二契約の利息制限法上の上限利息は年18%であり、これを超過する部分が無効となります。
 また、第三契約の締結時点において、第一契約および第二契約の残存元本額は15万円であり、第三契約の元本額は85万円であり、その合計額は100万円です。この額は100万円以上であるので、
第三契約の上限利息は年15%となり、これを超える部分が無効となります。
 第一契約や第二契約の上限利息は、その後の第三契約の影響を受けないため、年18%のままです。よって、第一契約や第二契約の上限利息を年15%ととする本肢は誤りです。


④:○(適切である)
 本肢において、第一契約の残存元本額45万円であり、第二契約の元本は5万円であり、第二契約と同時に締結された第三契約の元本は50万円であり、その合計額は100万円です。この額は100万円以上であるので、第二契約および第三契約の上限利息は年15%となり、これを超える部分は無効となります。


正解:③



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