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最終更新日 2020/2/8
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 問題28


Aが所有する甲土地の売却に係る意思表示に関する次の①~④の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① Aは、実際には甲土地をBに売却する意思がないのに、Bとの間でBに甲土地を売却する旨の売買契約を締結した。この場合、BがAには甲土地を売却する意思がないことを知っていたか否かにかかわらず、Aは、Bに対し、AB間の売買契約が心裡留保により無効であることを主張することができない。

② Aは、実際には甲土地をBに売却する意思がないのに、Bと通謀して、Bに甲土地を売却する旨の虚偽の売買契約を締結し、AからBへの甲土地の所有権移転登記を経た。その後、Bは、この事情を知らない第三者Cに甲土地を売却した。この場合、Aは、Cに対し、AB間の売買契約が虚偽表示により無効であることを主張することができない。

③ Aは、Bの詐欺により、Bとの間でBに甲土地を売却する旨の売買契約を締結し、AからBへの甲土地の所有権移転登記を経た後、Bは、この事情を知っている第三者Cに甲土地を売却した。その後、Aは、詐欺による意思表示を理由としてAB間の売買契約を取り消した。この場合、Aは、その取消しをCに対抗することができない。

④ Aは、Bの強迫により、Bとの間でBに甲土地を売却する旨の売買契約を締結し、AからBへの甲土地の所有権移転登記を経た後、Bは、この事情を知らない第三者Cに甲土地を売却した。その後、Aは、強迫による意思表示を理由としてAB間の売買契約を取り消した。この場合、Aは、その取消しをCに対抗することができない。





 問題28 解答・解説

 「意思表示(民法)」に関する問題です。
(改訂第9版合格教本のP164、P166参照)
(第8版の合格教本をお持ちの方も、P162、P164参照)

※ 法改正により解説を変更しました。


①:×(適切でない)
 心裡留保の場合、原則として有効ですが、
相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、または知ることができたときは、その意思表示は、無効です。よって、相手方Bが知っていたか否かにかかわらずAは無効を主張できないとする本肢は、誤りです。


※ 改訂第9版合格教本P164「(1)心裡留保」参照。

②:○(適切である)
 虚偽表示による無効は、「善意の第三者」(事情を知らない第三者のこと)に主張することはできません。よって、善意の第三者Cに無効を主張できないとする本肢は、正しい記述です。

※ 改訂第9版合格教本P164「(2)通謀虚偽表示」参照。

③:×(適切でない)
 詐欺による取消しは、
善意でかつ過失がない第三者に対抗することはできないとされています。本肢において、Cは善意ではない(事情を知っている)ため、Cに対抗することができます。よって、本肢は誤りです。


※ 改訂第9版合格教本P166「(2)詐欺」参照。

④:×(適切でない)
 強迫による取消しは、
善意でかつ過失がない第三者にも対抗することができるとされています。よって、強迫による取消しを第三者Cに対抗できないとする本肢は、誤りです。

※ 改訂第9版合格教本P166「(3)強迫」参照。


正解:②



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