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最終更新日 2021/7/25
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◎ 令和2年度試験(第15回)過去問


 問題9


株式会社である貸金業者Aは、個人顧客Bとの間で極度額を30万円とする極度方式基本契約(以下、本問において「本件基本契約」という。)を締結した。Aは、Bとの間で本件基本契約以外の貸付けに係る契約を締結していない。この場合において、Aが行う貸金業法第13条に規定する返済能力調査に関する次のa〜dの記述のうち、その内容が適切なものの個数を①〜④の中からつだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。なお、本件基本契約は、貸金業法施行規則第1条の2の3(個人信用情報の対象とならない契約)第2号から第5号までに掲げる契約ではないものとする。

a Aは、Bに返済能力の低下が認められたことを理由に極度額を一時的に10万円に減額した後、Bとの間の合意に基づき、極度額を、当該極度方式基本契約を締結した当初の30万円に戻そうとする場合、Bの返済能力の調査を行う必要はない。

b Aは、Bに対し本件基本契約に基づく極度方式貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示している場合において、当該下回る額を極度額まで増額するときは、Bの返済能力の調査を行うに際し、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用しなければならない。

c Aは、Bとの間の合意に基づき、本件基本契約における極度額を50万円に増額しようとする場合において、指定信用情報機関から提供を受けた信用情報により判明したBに対するA以外の貸金業者の貸付けの残高の合計額は0円であった。この場合、Aは、Bから源泉徴収票その他の当該顧客の収入又は収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるものの提出又は提供を受けなければならない。

d Aは、本件基本契約の極度額を増額した時に作成した返済能力の調査に関する記録を、本件基本契約の解除の日又は本件基本契約に基づくすべての極度方式貸付けに係る契約に定められた最終の返済期日のうち最後のもの(これらの契約に基づく債権のすべてが弁済その他の事由により消滅したときは、その消滅した日)のうちいずれか早い日までの間保存しなければならない。

① 1個  ② 2個  ③ 3個  ④ 4個





 問題9 解答・解説

「返済能力の調査(極度方式基本契約)」に関する問題です。
(改訂第9版合格教本のP65~67参照)

(第8版の合格教本をお持ちの方は、P65~67参照)


a:×(適切でない)
 相手方の
返済能力の低下により極度額を減額した場合には、その後、極度額をその減額の前の額まで戻すだけであっても、返済能力の調査は必要です。


※ 改訂第9版合格教本P66「(2)例外」参照。
※ 平成30年度試験・問題7の c の類似問題。

b:○(適切である)
 極度方式貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示している場合は、当該下回る額を増額する場合も、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用した返済能力の調査が必要となります。


※ 改訂第9版合格教本P67の※印参照。
※ 平成30年度試験・問題7の d の類似問題。

c:×(適切でない)
 貸金業者は、個人である顧客と貸付けに係る契約を締結しようとする場合で、
「当該貸金業者合算額」が50万円を超えるとき、または「個人顧客合算額」が100万円を超えるときには、返済能力の調査を行うに際し、資金需要者である個人顧客から顧客の資力を明らかにする事項を記載した書面等の提出・提供を受けなければならないとされています。
 本肢では、本件基本契約以外の貸付けに係る契約は契約されておらず、他の貸金業者からの貸付けの残高は0円であるから、「当該貸金業者合算額」及び「個人顧客合算額」は、ともに50万円(極度額の金額)です。これは50万円を超えていないため、顧客の資力を明らかにする事項を記載した書面等の提出・提供を受ける必要がありません。


※ 改訂第9版合格教本P65「③資力を明らかにする書面等の徴収」参照。

d:×(適切でない)
 貸金業者は、極度方式基本契約の極度額を増額した時に作成した返済能力の調査に関する記録を、当該
極度方式基本契約の解除の日又は当該極度方式基本契約に基づくすべての極度方式貸付けに係る契約に定められた最終の返済期日のうち最後のもの(これらの契約に基づく債権のすべてが弁済その他の事由により消滅したときは、その消滅した日)のうちいずれか「遅い日」までの間保存しなければなりません。

※ 改訂第9版合格教本P65の表「▼記録を保存すべき期間」の※印参照。
※ 平成26年度試験・問題20の選択肢④の類似問題。



正解:①




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