予想問題 |
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※ 法改正により問題及び解説を変更しました。
契約の申込みとその承諾に関する次の①~④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 契約の申込者が、承諾の期間を定めて契約の申込みをしたが、申込みの相手方が当該申込みに対する承諾の通知をせずに当該期間が経過した場合、民法上、その申込みはその効力を失う。
② 商人である隔地者の間において、承諾の期間を定めないで契約の申込みを受けた者が、相当の期間内に承諾の通知を発しなかったときは、商法上、その申込みはその効力を失う。
③ 民法上、契約の申込みは、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
④ 民法上、契約は承諾通知を発した時に成立する。
「契約の申込みと承諾(民法、商法)」に関する問題です。
(改訂第9版合格教本のP156参照)
(第8版の合格教本をお持ちの方は、P154参照)
<ポイント>
選択肢のうち内容が適切でないものを一つだけ選ぶ問題の場合、ある選択肢が明らかに誤りの内容であると判断できるときは、他の選択肢がわからなくても正解に至るので、他の選択肢は気にせずに次の問題に進みましょう。
選択肢④は、第1回試験・問題31の選択肢③で出題されており、明らかに誤りであると判断できると思います。
※隔地者とは、意思表示の到達に時間がかかる関係にある者をいいます。
場所的隔たりではなく、時間的に隔たりがある関係です。そのため、たとえば、東京にいる者が大阪にいる者に対して電話で申込みをした場合、意思表示の到達に時間をかかることはないので、大阪にいる人は隔地者ではありません。
隔地者間とは、郵便でやりとりするような場合をイメージしてください。
①:○(適切である)
承諾の期間を定めて契約の申込みをした場合、その期間が経過したときは、その申込みは効力を失います。
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②:○(適切である)
商人である隔地者間において承諾の期間を定めないで契約の申込みを受けた場合、申込みを受けたものが相当の期間内に承諾を発しなかったときは、商法上、当然にその申込みは効力を失います。
なお、民法上は、承諾の期間を定めないで契約の申込みをした場合には、申込者が承諾の通知を受けるのに相当な期間を経過するまでは、撤回することができないとされています。民法上は、商法上とは異なり、相当な期間を経過しても、当然にその申込みが効力を失うわけではありません。
◎承諾期間を定めない契約の申込み
民法上 |
相当期間が経過するまでは撤回できない
相当期間が経過しても申込みの効力は失われない |
商法上 |
相当期間経過により申込みの効力を失う |
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③:○(適切である)
民法では、意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずるとされています。
申込みは意思表示であるため、申込みは、その通知が相手方に到達した時からその効力を生じます。
※ 改訂第9版合格教本P156「(1)契約の成立」参照。
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④:×(適切でない)
契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(「申込み」のこと。)に対して相手方が承諾をしたときに成立します。
承諾は意思表示であるため、承諾は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生じ、契約は成立します。承諾通知を発した時に成立するわけではありません。
※ 改訂第9版合格教本P156「(1)契約の成立」参照。
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正解:④
※ 参考までに、以下に、本試験問題を原文のまま掲載しました。 通常は読む必要はありません。
平成21年度第2回試験・問題37
① 契約の申込者が、承諾の期間を定めて契約の申込みをしたが、申込みの相手方が当該申込みに対する承諾の通知をせずに当該期間が経過した場合、民法上、その申込みはその効力を失う。
② 商人である隔地者の間において、承諾の期間を定めないで契約の申込みを受けた者が、相当の期間内に承諾の通知を発しなかったときは、商法上、その申込みはその効力を失う。
③ 民法上、隔地者に対する契約の申込みは、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
④ 隔地者間の契約において電子承諾通知を発する場合、電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律上、契約は当該電子承諾通知を発した時に成立する。
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