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最終更新日 2016/5/1
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 問題12


貸金業者向けの総合的な監督指針における不祥事件に対する監督上の対応に関する次の①~④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。


① 不祥事件とは、貸金業の業務に関し、法令に違反する行為のほか、検挙された行為をいい、資金需要者等から告訴又は告発されただけで検挙されていない行為は、不祥事件に該当しないものとされている。

② 監督当局は、貸金業者において不祥事件が発覚し、当該貸金業者から第一報があった場合において、刑罰法令に抵触しているおそれのある事実があるときは、直ちに、当該貸金業者の営業所等への立入検査を実施し、内部管理部門への報告、警察等関係機関等への通報を行うか否かを判断するための内部管理部門による不祥事件の調査・解明が実施されていることを確認するものとされている。

③ 監督当局は、不祥事件と貸金業者の業務の適切性の関係については、不祥事件の発覚後の対応は適切か、不祥事件への経営陣の関与はないか、組織的な関与はないか、不祥事件の内容が資金需要者等に与える影響はどうか、内部牽制機能が適切に発揮されているか、再発防止のための改善策の策定や自浄機能は十分か、関係者の責任の追及は明確に行われているか、資金需要者等に対する説明や問い合わせへの対応等は適切か、という着眼点に基づき検証を行うこととされている。

④ 監督当局は、不祥事件の届出があった場合、重大・悪質な法令違反行為が認められないとしても、当該行為が発生した営業所等、当該行為者の氏名・職名(貸金業務取扱主任者である場合にはその旨)、当該行為の概要、発覚年月日、発覚の端緒、発生原因分析及び改善・対応策等について定期的に報告書を徴収し、当該貸金業者に対する指導を継続するなど、監督当局の主導により業務改善をする必要があり、貸金業者の自主的な業務改善に終始することがないように留意すべきであるとされている。





 問題12 解答・解説

 「不祥事件に対する監督上の対応(監督指針)」に関する問題です。

 「不祥事件に対する監督上の対応(監督指針)」に関する問題として、 平成25年度第8回試験・問題10があります。


①:×(適切でない)
 監督指針では、「不祥事件とは、貸金業の業務に関し
法令に違反する行為の外、次に掲げる行為が該当する。
・貸金業の業務に関し、資金需要者等の利益を損なうおそれのある詐欺、横領、背任等。
・貸金業の業務に関し、
資金需要者等から告訴、告発され又は検挙された行為
・その他貸金業の業務の適正な運営に支障を来す行為又はそのおそれのある行為であって、上記に掲げる行為に準ずるもの。」
とされています。
 よって、資金需要者等から告訴又は告発されただけで検挙されていない行為も、不祥事件に該当します。


②:×(適切でない)
 監督指針では、「貸金業者において不祥事件が発覚し、当該貸金業者から第一報があった場合は、以下の点を確認するものとする。なお、貸金業者から第一報がなく届出書の提出があった場合にも、同様の取扱いとする。
イ.社内規則等に則った内部管理部門への迅速な報告及び経営陣への報告。
ロ.
刑罰法令に抵触しているおそれのある事実については、警察等関係機関等への通報
ハ.
独立した部署(内部監査部門等)での不祥事件の調査・解明の実施。」
とされています。
 そのため、刑罰法令に抵触しているおそれのある事実については警察等関係機関等への通報は必要であり、貸金業者が通報を行う否かの判断をするという内容はおかしい。また、不祥事件の調査・解明の実施を行うのは、独立した部署(内部監査部門等)であって、内部管理部門ではありません。
 本肢は、「警察等関係機関等への通報を行うか否かを判断するための内部管理部門」による不祥事件の調査・解明となっている部分が誤りです。

③:○(適切である)
 
本肢の通りです。


④:×(適切でない)
 監督指針では、「不祥事件の届出があった場合には、事実関係(当該行為が発生した営業所等、当該行為者の氏名・職名・職歴(貸金業務取扱主任者である場合にはその旨)、当該行為の概要、発覚年月日、発生期間、発覚の端緒)、発生原因分析、改善・対応策等について深度あるヒアリングを実施し、
必要に応じて法第24条の6の10に基づき報告書を徴収することにより、貸金業者の自主的な業務改善状況を把握することとする。」とされています。
 そのため、まずは貸金業者の自主的な業務改善が求められています。
 本肢は、「定期的に報告書を徴収」「監督当局の主導により業務改善をする必要があり、貸金業者の自主的な業務改善に終始することがないように留意すべき」となっている部分が誤りです。



正解:③



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