予想問題 |
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AのBに対する金銭債権を「甲債権」とし、BのAに対する金銭債権を「乙債権」とする。この場合に関する次の①~④の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 甲債権の弁済期が11 月1日であり、乙債権の弁済期が同年10月15日である場合、Aは、同年10月15日の時点で、甲債権と乙債権とを相殺することができる。
② Aは、甲債権と乙債権とを相殺するにあたり、相殺の意思表示に条件又は期限を付することができる。
③ 甲債権と乙債権とが相殺に適するようになった後に、甲債権が時効によって消滅した場合であっても、Aは、甲債権と乙債権とを相殺することができる。
④ 甲債権が他人から譲り受けた債権である場合において、その譲受けの時期が、乙債権に係る債権差押命令がAに送達された後であっても、甲債権が当該差押え前の原因に基づき発生したものであるときは、Aは、甲債権と乙債権との相殺をもって乙債権の差押債権者に対抗することができる。
「相殺(民法)」に関する問題です。
(改訂第9版合格教本のP215・216参照)
(第8版の合格教本をお持ちの方は、P213・214参照)
①:×(適切でない)
自働債権(相殺する当事者側の債権)の弁済期が到来していれば、自己の債務(相手の債権)について期限の利益を放棄して、相殺することができます。
本肢では、Aが相殺するとしているので、甲債権が自働債権です。相殺する10月15日の時点で、甲債権の弁済期(11月1日)は到来していないため、Aは相殺することができません。
※ 改訂第9版合格教本P215「(1)相殺の概要」参照。
※ 令和1年度試験・問題34の選択肢③の類似問題。
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②:×(適切でない)
相殺の意思表示には、条件または期限を付することができません。
※ 改訂第9版合格教本P216「(2)相殺の方法および効力」参照。 ※ 令和1年度試験・問題34の選択肢1の類似問題。
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③:○(適切である)
時効によって消滅した自働債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができます。
※ 改訂第9版合格教本P216の表「▼相殺の可否」の「時効と相殺」参照。 ※ 平成30年度試験・問題33の選択肢③の類似問題。
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④:×(適切でない)
差押えを受けた債権の第三債務者は、原則として差押え後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することはできませんが、差押え後に取得した債権が差押え前の原因に基づいて生じたものであるときは、例外的に、その第三債務者はその債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができます。
もっとも、第三債務者が差押え後に他人の債権を取得したときは、原則に戻り、その第三債務者は、その債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができません。
本肢では、A(差押債務者)は、差押え後に、他人の債権を譲り受けているため、相殺をもって差押債権者に対抗することはできません。
※ 改訂第9版合格教本P216の表「▼相殺の可否」の「差押えと相殺②」参照。
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正解:③
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