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最終更新日 2024/8/15
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◎ 令和5年度試験(第18回)過去問


 問題15

貸金業者Aは、個人顧客Bとの間で、元本額100万円、利息を年1割8分(18%)、期間を1年とする営業的金銭消費貸借契約を締結して100万円をBに貸し付け、当該契約について、業として保証を行うCとの間で保証契約を締結した。Bは、Cとの間で、当該保証契約に基づきCが負う保証債務について、Cに元本額の3分(3%)の保証料を支払う旨の保証料の契約を締結した。この場合に関する次のa~dの記述のうち、その内容が適切なものの個数を①~④の中から1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

a Aは、Bとの間の営業的金銭消費貸借契約における利息の約定につき、出資法(注)上、刑事罰の対象とならない。

b Cは、Bとの間の保証料の契約につき、出資法上、刑事罰の対象とならない。

c AとBとの間の営業的金銭消費貸借契約における利息の約定は、利息制限法上、その全部について有効である。

d BとCとの間の保証料の契約は、利息制限法上、その全部について有効である。

(注) 出資法とは、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律をいう。

① 1個   ② 2個   ③ 3 個   ④ 4個





 問題15 解答・解説

「利息と保証料の制限(出資法、利息制限法)」に関する問題です。
(改訂第9版合格教本のP130・131、P134・135参照)

(第8版の合格教本をお持ちの方は、P130・131、P134・135参照)


a:〇(適切である)
 貸付けを業とする者が
年20%を超える割合による利息の契約をした場合、出資法上、その契約を締結する行為は刑事罰の対象となります。
 本問において、利息は年18%であるため、Aは刑事罰の対象とはなりません。


※ 改訂第9版合格教本P130・131「(2)出資法では」参照。
※ 令和2年度試験・問題16の選択肢④の類似問題。
※ 平成29年度試験・問題26の選択肢④も参照。


b:×(適切でない)
 
保証料が利息と合算して年20%を超える保証料の契約をした場合、保証業者は、出資法上、刑事罰の対象となります。
 本問において、利息・年18%と保証料・年3%であり、その合計は年21%です。これは出資法の上限の20%を超えるため、保証業者は、出資法上、刑事罰の対象となります。


※ 改訂第9版合格教本P135「(2)出資法では」参照。
※ 令和2年度試験・問題16の選択肢④の類似問題。

c:×(適切ではない)
 
元本額が100万円以上の場合、利息制限法上の上限利率は年15%でり、これを超える部分は無効です。
 本問において、元本額は100万円であり、利息は18%であるため、年15%を超える部分は無効となります。


※ 改訂第9版合格教本P130枠内「●利息制限法の制限利率」参照。

d:×(適切ではない)
 債権者が保証業者との間で営業的金銭消費貸借上の債務を主たる債務として保証契約を締結した場合における保証料(主たる債務者が支払うものに限る。)の契約は、その保証料が当該主たる債務の元本に係る法定上限額から当該主たる債務について支払うべき利息の額を減じて得た金額を超えるときは、利息制限法上、その超過部分について、無効となります。つまり、
利息と保証料の合計が利息制限法の利息上限額を超える場合、保証料は、その超過部分について無効となります。
 そして、元本額が100万円以上の場合、利息制限法上の上限利率は年15%です。
 本問において、利息年18%と保証料3%であり、その合計は年21%です。これは利息制限法の上限の15%を超えるため、その超過部分について無効となります。

※ 改訂第9版合格教本P134・135「⑦保証料の制限 」の「(1)利息制限法では」参照。
※ 令和3年度試験・問題27の選択肢①、④の類似問題。



正解:①



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