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最終更新日 2024/8/10
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平成22年度試験(第5回) 過去問


 問題43


個人情報の保護に関する法律上の個人情報取扱事業者であるA社は、自社で管理している個人データを第三者に提供することを検討している。この場合に関する次のa〜dの記述のうち、その内容が適切なものの個数を①〜④の中から1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

a 会社法上の親子会社の関係にある会社は第三者に該当しないため、A社は、その保有する個人データを共同して利用する者の範囲等について、あらかじめ、本人が容易に知り得る状態に置いていなくても、本人の同意を得ることなく、当該個人データを自社と親子会社の関係にある会社に提供することができる。

b A社が、その利用目的の達成に必要な範囲内において個人データをパソコンに入力するなどの作業を第三者に委託することは、個人データの第三者提供に該当するため、A社は、本人の同意なしには、当該作業を委託することはできない。

c A社とB社の合併による事業の承継に伴ってA社の個人データが存続会社となるB社に提供されるためには、あらかじめ、本人の同意が必要である。

d A社が、第三者に提供される自社が保有する個人データについて、本人の求めに応じて当該本人が識別される個人データの第三者への提供を停止することとしている場合であって、第三者への提供を利用目的とすること、第三者に提供される個人データの項目、第三者への提供の手段又は方法、及び本人の求めに応じて当該本人が識別される個人データの第三者への提供を停止することについて、あらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置いているときは、A社は、本人の同意を得ることなく、当該個人データを第三者に提供することができる。


① 1個  ② 2個  ③ 3個  ④ 4個





 問題43 解答・解説

「個人情報保護法(第三者提供の制限)」に関する問題です。
(改訂第9版合格教本のP299、P291・292参照)
(第8版の合格教本をお持ちの方は、P297、P289・290参照)
 
<ポイント>
 本人の同意を得ずに個人データを第三者に提供することは、原則としてできません。
 もっとも、次に掲げる場合には、個人データの提供を受ける者は
第三者に該当しないとされています。

① 個人情報取扱事業者が利用目的の達成に必要な範囲内において個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合
② 合併その他の事由による事業の承継に伴って個人データが提供される場合
③ 個人データを特定の者との間で共同して利用する場合であって、その旨並びに共同して利用される個人データの項目、共同して利用する者の範囲、利用する者の利用目的及び当該個人データの管理について責任を有する者の氏名又は名称について、あらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置いているとき


a:×(適切でない)
 会社法上の親子会社の関係にある会社であっても第三者に該当するので、本人の同意を得ることなく、個人データをその会社に提供することはできません。


※ 上記ポイント③にも該当せず。
※ 改訂第9版合格教本P299枠内「●第三者提供とされる事例(ただし、法27条5項各号の場合を除く)」参照。

b:×(適切でない)
 利用目的の達成に必要な範囲内において個人データの取扱いの全部または一部を委託する場合、その個人データの提供を受ける者は第三者に該当しません。そのため、A社による作業委託は個人データの第三者提供に該当せず、A社は、本人の同意を得ることなく、当該作業を委託することができます。

※ 改訂第9版合格教本P291枠内「●「第三者」該当しない者(法27条5項)」の①(上記ポイント①)に該当。
※ 過去問(平成21年度第2回試験・問題43の選択肢2)と同じ内容。

c:×(適切でない)
 合併その他の事由による事業の承継に伴って個人データが提供される場合、その個人データの提供を受ける者は第三者に該当しません。そのため、A社とB社の合併による事業の承継に伴ってA社の個人データが存続会社となるB社に提供する場合には、本人の同意は必要ありません。


※ 改訂第9版合格教本P291枠内「●「第三者」該当しない者(法27条5項)」の②(上記ポイント②)に該当。

d:○(適切である)
 本肢の通りです。


※ 改訂第9版合格教本P291枠下~P292参照。
※ 過去問(平成21年度第3回試験・問題47の選択肢4)を、問題文に掲載されている[参照条文]も含めて読んでいれば、本肢の記述は適切であると判断できたと思います。

法第23条第2項は法改正により、変更されています(法改正後は第27条第2項)。
以下は、法改正後の条文です。

[参照条文] 個人情報の保護に関する法律第27条第2項
 個人情報取扱事業者は、第三者に提供される個人データについて、本人の求めに応じて当該本人が識別される個人データの第三者への提供を停止することとしている場合であって、次に掲げる事項について、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、あらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置くとともに、個人情報保護委員会に届け出たときは、前項の規定にかかわらず、当該個人データを第三者に提供することができる。ただし、第三者に提供される個人データが要配慮個人情報又は第20条第1項の規定に違反して取得されたもの若しくは他の個人情報取扱事業者からこの項本文の規定により提供されたもの(その全部又は一部を複製し、又は加工したものを含む。)である場合は、この限りでない。
一第三者への提供を行う個人情報取扱事業者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものにあっては、その代表者又は管理人。以下この条、第三十条第一項第一号及び第三十二条第一項第一号において同じ。)の氏名
第三者への提供を利用目的とすること。
三第三者に提供される個人データの項目
四第三者に提供される個人データの取得の方法
五第三者への提供の方法
本人の求めに応じて当該本人が識別される個人データの第三者への提供を停止すること。
本人の求めを受け付ける方法
八その他個人の権利利益を保護するために必要なものとして個人情報保護委員会規則で定める事項


正解:①



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