①:×(適切でない)
法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下、「受益者」という)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負います。悪意の受益者は、さらに、その受けた利益に利息を付して返還しなければなりません。
本肢において、受益者Aは、事実を知らなかったというのであるから、悪意の受益者ではなく、利息を付して返還する必要はありません。
※ 法律上、「善意」とは、ある事実を知らないことをいい、「悪意」とは、ある事実を知っていることをいいます。
※ 改訂第9版合格教本P220「①不当利得の返還」参照。
※ 平成27年度試験・問題35の選択肢①の類似問題。
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②:○(適切である)
債務者は、弁済期にない債務の弁済として給付をしたときは、その給付したものの返還を請求することができません。ただし、債務者が錯誤によってその給付をしたときは、債権者は、これによって得た利益を返還しなければなりません。
※ 改訂第9版合格教本P220「(2)期限前の弁済」参照。
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③:×(適切でない)
注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負いません。ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、賠償責任を負います。
よって、本肢は、注文者Aに何ら過失がなかったとしてもAは賠償責任を負うとしている点が誤りです。
※ 改訂第9版合格教本P223「(4)注文者の責任」参照。
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④:×(適切でない)
不法行為による損害賠償の請求権は、被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から3年間(人の生命又は身体を害する不法行為の場合は、5年間)行使しないときは、消滅します。また、不法行為の時から20年を経過したときも、不法行為による損害賠償請求権は消滅します。
よって、本肢は、「1年間」となっている部分が誤りです。
※ 改訂第9版合格教本P223「(5)不法行為による損害賠償請求権の消滅時効」参照。 ※ 平成23年度試験・問題38の選択肢①の類似問題。
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