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最終更新日 2019/6/26
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◎ 平成30年度試験(第13回)過去問


 問題26


次の①〜④の記述のうち、利息制限法上、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。

① Aは、Bとの間で、元本を10万円、利息を年1割8分(18%)、期間を1年とする営業的金銭消費貸借契約を締結し、利息を天引きして82,000円をBに引き渡した。この場合、天引額(18,000円)のうち1,600円は元本の支払に充てたものとみなされる。

② Aは、Bとの間で元本を12万円とし利息を年1割8分(18%)とする営業的金銭消費貸借契約を初めて締結し12万円をBに貸し付けた。その直後に、Cは、当該事実を把握した上で、Bとの間で元本を8万円とし利息を年2割(20%)とする営業的金銭消費貸借契約を初めて締結し8万円をBに貸し付けた。この場合、CとBとの間の営業的金銭消費貸借契約における利息の約定は、年1割8分(18%)を超過する部分に限り無効となる。

③ Aは、Bとの間で、元本を20万円とし利息を年1割8分(18%)とする営業的金銭消費貸借契約(第一契約)を初めて締結し20万円をBに貸し付けた後、第一契約に基づく債務の残高が5万円である時点において、元本を5万円とし利息を年2割(20%)とする営業的金銭消費貸借契約(第二契約)を締結し5万円をBに貸し付けた。この場合、第二契約における利息の約定は、年1割8分(18%)を超過する部分に限り無効となる。

④ Aは、Bとの間で、元本を60万円とし利息を年1割8分(18%)とする営業的金銭消費貸借契約(第一契約)を初めて締結し60万円をBに貸し付けた後、第一契約に基づく債務の残高が55万円である時点において、元本を5万円とし利息を年2割(20%)とする営業的金銭消費貸借契約(第二契約)を締結しBに5万円を貸し付けると同時に元本を40万円とし利息を年1割8分(18 %)とする営業的金銭消費貸借契約(第三契約)を締結しBに40万円を貸し付けた。この場合、第二契約及び第三契約における利息の約定は、年1割5分(15%)を超過する部分に限り無効となる。





 問題26 解答・解説

「利息の制限(利息制限法)」に関する問題です。
(改訂第9版合格教本のP130~P132参照)

(第8版の合格教本をお持ちの方は、P130~P132参照)

<ポイント>
 
利息制限を計算する場合の元本額について
 
①同一の貸金業者から重ねて貸付けを受けたとき
→「既に貸付けを受けた残元本の額とその貸付けを受けた元本額との合計額」を元本の額とみなす。
 
②同一の貸金業者から同時に複数の貸付けを受けたとき
→「複数の貸付けを受けた元本の額の合計額」を元本の額とみなす。

※ 具体例は、合格教本で説明しています。

 <利息制限法の制限利率>
 元本の額が10万円未満の場合・・・・・・・・・・・・・・・・ 年20%
 元本の額が10万円以上100万円未満の場合・・・・・ 年18%
 元本の額が100万円以上の場合・・・・・・・・・・・・・・・ 年15%



①:○(適切である)
 利息の天引きをした場合、
天引き額が借主の受領額を元本として利息制限法の制限利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分は、元本の支払いに充てたものとみなされます。
 本肢において、借主の受領額82,000円を元本として利息制限法の制限利率(元本の額が10万円未満なので、年20%)により計算した利息の額は、16,400円です。天引き額18,000円が、利息額16,400円を超えるので、その超過額1,600円は、元本の支払いに充てたものとみなされます。

※ 改訂第9版合格教本P131「③利息の天引き(利息制限法)」参照。
※ 平成25年度試験・問題27の選択肢①の類似問題。

②:×(適切でない)
 他の貸金業者が貸し付けた契約の元本額は、合算されません
 本肢において、Cが貸し付けた契約の元本額は8万円であり、この額は、
10万円未満であるので、CとBとの間の契約の上限利息は20%です。
 本肢は、「年1割8分(18%)」を超過する部分が無効となるとしている点が誤りです。

※ 平成26年度試験・問題14の d の類似問題。

③:○(適切である)
 同一の貸金業者から重ねて貸付けを受けた場合、「
既に貸付けを受けた残元本の額とその貸付けを受けた元本額との合計額」を元本の額とみなして、その利息の上限を計算します(上記ポイント①)。
 本肢において、第一契約の残存元本額は5万円であり、第二契約の元本は5万円であり、その合計額は10万円です。
 この合計額は
10万円以上100万円未満であるので、第二契約の上限利息は年18%となり、これを超過する部分に限り無効となります。

※ 改訂第9版合格教本P131「(1)同一の貸金業者から重ねて貸付けを受けた場合」参照。
※ 平成28年度試験・問題27の選択肢①の類似問題。

④:○(適切である)
 本肢において、第一契約の残存元本額は55万円であり、第二契約の元本は5万円であり、第二契約と同時に締結された第三契約の元本は40万円であり、その合計額は100万円です(上記ポイント①&ポイント②の合わせ技)。
 この合計額は
100万円以上であるから、第二契約及び第三契約の上限利息は年15%となり、これを超過する部分に限り無効となります。

※ 改訂第9版合格教本P132「(2)同一の貸金業者から同時に複数の貸付けを受けた場合」参照。
※ 平成28年度試験・問題27の選択肢④の類似問題。


正解:②



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