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最終更新日 2009/12/9
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資金需要者等の保護

 貸金業務取扱主任者資格試験の試験科目「資金需要者等の保護に関すること」の分野では、(1)個人情報保護法、(2)消費者保護法、(3)経済法、(4)貸金業法その他関係法令についての知識・理解が求められます。
 
 (1)個人情報保護法では、個人情報の保護に関する法律のほか、
   金融分野における個人情報保護に関するガイドライン(金融庁)に関する事項も
  問われます。

 (2)消費者保護法では、消費者契約法に関する事項が問われます。

 (3)経済法では、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)のほか、
   「消費者信用の融資費用に関する不当な表示」の運用基準(公正取引委員会)

 (4)貸金業法その他関係法令では、@貸金業法、同施行令、同施行規則、
  A貸金業者向けの総合的な監督指針(金融庁)、B事務ガイドライン(第三分
  冊:金融会社関係13 指定信用情報機関関係)(金融庁)、C貸金業の業務運
  営に関する自主規制基本規則、苦情処理及び相談対応に関する規則、同細
  則(日本貸金業協会)のうち、資金需要者等の利益の保護に関する部分
  に関する事項も問われます。


 試験問題全50問のうち「資金需要者等の保護に関する分野」からの出題は4〜6問程度であるとされています。重要度の高い「個人情報保護法」を中心に勉強を進めていくとよいでしょう。

 貸金業において「資金需要者等」とは、資金需要者である顧客保証人となろうとする者債務者保証人をいいます(貸金業法2条6項、4項、5項)。ですから、「資金需要者等の保護」の試験科目は、これらの者の保護を念頭においているといえるでしょう。
 資金需要者等の利益の保護に関する事項は貸金業法においても規定されていますが、資金需要者等の保護が図られる法律は、貸金業法だけではありません。
 この「資金需要者等の保護」の分野では、一般個人・消費者の保護を図る法律(個人情報保護法・消費者契約法等)が、資金需要者等に適用される場面を学ぶことになります。

 ※ 試験で問われやすいポイントは、赤字にしています。

 個人情報保護法

個人情報保護法の目的

 個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護すること

個人情報取扱事業者とは

  個人情報データベース等を事業の用に供している者をいう。
  ただし、個人情報の数が過去6か月以内のいずれの日においても5,000件を
 超えない者
は、例外的に、個人情報取扱事業者に該当しない。

 ※ 個人情報データベース等とは、特定の個人情報を容易に検索することが
  できるように体系的に構成しているものをいい、あいうえお順に記載されて
  いる紙製の会員名簿等も含まれます。

 ※ 事業には、営利を目的としないものも含まれます。
    事業は、営利を目的とする「営業」よりも広い概念です。

 ※ 個人情報取扱事業者は、「利用目的」以下に記載された義務を負います。

利用目的
 
 @利用目的の特定
 ・個人情報を取り扱う場合には、利用目的を特定しなければならない。

 A利用目的による制限
 ・あらかじめ本人の同意を得ずに利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人
 情報を取り扱ってはならない。
  ただし、法令に基づく場合などには、同意を得る必要はない。

個人情報の取得
 
 @適正な取得
 ・不正な手段により個人情報を取得してはならない。

 A取得に際しての利用目的の通知等
 ・個人情報を取得した場合、原則として本人に、その利用目的を通知し、または
 公表しなければならない。
 ・契約を締結する際に個人情報する場合、あらかじめ本人に対し、その利用目的
 を明示しなければならない。

個人データの管理
 
 @データ内容の正確性の確保
 ・個人データを正確かつ最新の内容に保つよう努めなければならない。

 Aデータの安全管理・従業員等の監督
 ・個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じ、従業員
 委託先にに対する必要かつ適切な監督をしなければならない。

第三者提供の制限
 
 @原則:あらかじめ本人の同意を得ずに個人データを第三者に提供してはなら
     ない。
 
 A例外:次のいずれか場合には本人の同意を得ずに個人データを第三者に提供
     できる。
 
  ・法令に基づく場合
  ・人の生命・身体・財産の保護のために必要で、本人の同意を得ることが困難な
  とき
  ・公衆衛生の向上、児童の健全な育成の推進のために特に必要で、本人の同意
  を得ることが困難なとき
  ・国、地方公共団体、その委託を受けた者が、事務を遂行することに対して協力
  する必要であり、本人の同意を得ることにより事務の遂行に支障を及ぼすおそれ
  があるとき

 ※ 法令に基づく場合以外は、本人の同意が困難または事業遂行に支障がある
  合に限られます。

保有個人データの公表・訂正・利用停止等
 
 @保有個人データに関する事項の公表等
 ・個人情報取扱事業者の氏名、利用目的等について、本人の知り得る状態(本人の
 求めに応じて遅滞なく回答する場合も含む。)に置かなければならない。

 A訂正等
 ・保有個人データの内容が真実ではないという理由で、本人から訂正、追加、削除を
 を求められた場合には、遅滞なく調査を行い、その結果に基づき訂正等を行わなけれ
 ばならない。
 ・訂正等を行い、または、行わない決定をした場合、本人に対しその旨を通知する。
 ・訂正等を行わない決定を通知するときには、本人に対しその理由を説明しなければ
 ならない。
 
 B利用停止等
 ・利用目的の制限に違反している、または、個人情報が不正に取得されたものである
 という理由で、本人から保有個人データの利用の停止、消去を求められた場合には、
 違反を是正するために必要な限度で、遅滞なく利用停止等を行わなければならない。
 ・利用停止等を行い、または、行わない決定をした場合、本人に対しその旨を通知す
 る。
 ・利用停止等を行わない決定を通知するときには、本人に対しその理由を説明しなけ
 ればならない。

苦情の処理
 
 個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努め、またその処理に必要
な体制の整備に努めなければならない。

主務大臣による監督
 
 主務大臣は、個人情報取扱事業者に対して、個人情報の取扱いに関する報告をさせ、
助言をし、違反行為の中止等の勧告・命令を行うことができる。

罰則
 
 虚偽の報告をしたり、報告をしなかった場合には、刑罰が科される。また、中止等の
命令にしたがわなかった場合にも、刑罰が科される。

 ※ 個人情報保護法は、情報の漏えい行為を罰する法律ではありません。


 消費者契約法

消費者契約とは
 消費者事業者との間で締結される契約。
 
 ※ 消費者とは「個人」のことを言いますので、法人と事業者との間の契約は
消費者契約に該当しません。

事業者及び消費者の努力義務

 事業者は、契約の条項を定める際には契約内容が明確平易なものになるよう、
勧誘の際には契約内容について必要な提供をするよう、努めなければならない。
 消費者は、情報を活用し、契約内容について理解するよう努めなければならない。

 ※ 「努力」義務にすぎない点に注意してください。

消費者契約の申込みまたはその承諾の取消し

 @誤認による場合
  ・不実の告知(4条1項1号)
  ・断定的判断の提供(4条1項2号)
  ・不利益事実の不告知(4条2項)

 A困惑による場合
  ・不退去(4条3項1号)
  ・退去妨害(4条3項2号)

 ※ 取消しができるのであって、契約が無効となるわけではありません。

消費者契約の条項の無効

 @事業者の責任を免除する条項の無効
  ・事業者の責任を全部免除する条項→無効
  ・故意または重過失の事業者の責任を一部免除する条項→無効

 A消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項の無効
  ・契約解除に伴う損害賠償の額を予定し、契約解除に伴い事業者に発生する
  平均的な損害を超えるもの超える部分が無効

 B消費者の権利を一方的に害する条項の無効
  ・民法等の任意規定と比較して、信義則に反して消費者の権利を一方的に
  害する条項→無効

 ※ 契約の条項が無効となるのであって、契約全体が無効になるのではありません。

他の法律の適用

 @契約の条項の効力について、消費者契約法に規定されていないことについては、
 民法・商法が適用されます。

 A契約の条項の効力について、民法・商法以外の法律に規定がある場合には、
 その法律の規定が優先的に適用されます。

 
差止請求

 内閣総理大臣の認定を受けた「適格消費者団体」が、事業者に対し、その事業者の
行為の停止、予防等を請求できる場合があります。

 ※ 内閣総理大臣の認定を受けていない消費者団体は差止請求できません。



 景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)

 違反した場合、公正取引委員会により排除命令などの措置が採られます。

景品表示法の目的

 景品表示法は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、公正な競争を確保し、もって一般消費者の利益を保護することを目的としています。

 ※ 景品表示法は、独占禁止法の特例として定められました。

不当な景品類の提供の禁止

 景品類とは、顧客勧誘の手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引に付随して提供する経済上の利益をいいます。
 
 公正取引委員会は、不当な顧客の誘引を防止するため必要があると認めるときは、不当な景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができます。
 たとえば、総付景品(懸賞によらない景品)の限度額は、取引額1,000円以上の場合には取引価額の10分の2が最高限度額となります。

不当な表示の禁止

 表示とは、顧客誘引の手段として、事業者が自己の供給する商品・役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行なう広告その他の表示をいいます。

★事業者は、不当な表示(@〜B)をしてはいけません。
 @優良誤認表示(内容に関する表示について)
   商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際
  のものよりも著しく優良である
と示し、又は事実に相違して当該事業者と競争関
  係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良である
と示すことにより、不当に
  顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示
 A有利誤認表示(取引条件に関する表示について)
   商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者
  と競争関係にある他の事業者に係るもの
よりも取引の相手方に著しく有利であると
  一般消費者に誤認される
ため、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそ
  れがあると認められる表示
 B商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそ
  れがある表示であって、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれ
  があると認めて公正取引委員会が指定するもの

  (昭和55年に、公正取引委員会は「消費者信用の融資費用に関する不当な表示」を
  指定しており、下記運用によって不当な表示に該当するか否かが判断されます。)

 「消費者信用の融資費用に関する不当な表示」の運用基準

消費者信用の融資費用に関する不当な表示

 消費者信用の融資費用に関する不当な表示とは、消費者信用の融資費用に関する次のいずれかの表示であって、「実質年率」が明瞭に記載されていないものをいいます。

 @
アドオン方式による利息、手数料その他の融資費用の率の表示
 A 日歩、月利等年建て以外による利息、手数料その他の融資費用の率の表示
 B 融資費用の額の表示
 C 返済事例による融資費用の表示
 D 融資費用の一部についての年建てによる率の表示

「消費者信用の融資費用に関する不当な表示」の運用基準
(公正取引委員会告示)


 @「実質年率」の表示方法について
  ・実質年率は、少なくとも0.1パーセントの単位まで示さなければなりません。
  ・実質年率が個々の取引により異なる場合には、通常行われる取引における
  最も高い実質年率及びその実質年率が適用される融資金の額、融資期間等
  の条件又は実質年率の範囲を表示しなければなりません。
  (例えば、「実質年率通常○○パーセント(○万円、○年間融資の場合)以内」、
   「実質年率○○パーセントから○○パーセントまで」等)

 A「融資費用の内容及びその額又は率が明瞭に記載されている場合」について
  ・融資費用の内容及びその額又は率が明瞭に記載されている場合とは、利息
  以外のすべての融資費用について、内容(手数料、信用調査費、保証料等)と、
  その額又は率が明瞭に記載されている場合をいいます。



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